要旨 | キーワード 聖性1 外部2 共通感覚3 再魔術化4 実在領土5 AI/シンギュラリティーを迎えるといわれる現代の我々の喫緊の課題は,リニアな技術決定論に警鐘を鳴らし6,情報社会に「外部」と「崇高」7の概念と感性とを,文化決定論や「批判知と科学知」8とはまた別のしかたで,その始原からの生命誌と響き合わせながら取り戻すこと9,また「倫理と美の不可分性」10を引き継ぎながら現代に於いてその導出が可能な有機的理論体系11と思想とその実践であろう。 本研究者は,情報倫理学に欠かすことの出来ない起点として,基礎情報学「聖性」概念に着目し研究を進めているが,本論では情報社会に於ける現代芸術,とくに現代音楽の意義を考察・展望する。これはまた本研究者のグランドセオリーである『こころ 2.0 を創発する』12における「2.起点 2.0:<HACS/心的システム> 未踏の閉域にむけて 聖性から」のモジュール展開;プログラム実行である。 皆様からのフィードバックを頂きながら、論考を豊かにしていきたい。
1 西垣通, 情報学的転回, 春秋社, 2005, pp.161. 2 大黒岳彦, 情報社会の〈哲学〉: グーグル・ビッグデータ・人工知能, 勁草書房, 2016, pp.303. 3 主にアリストテレス, マクルーハン, 中村雄二郎における概念遷移の系譜として 4 文藝批判に加え,社会学に於けるヴェーバー,マルクス,レーヴィット,リッツァーの概念遷移の系譜も含む 5 フェリックス・ガタリ著, 宇野邦一・松本潤一郎 訳, リトルネロ, みすず書房, 2014, pp.159. 6 河島 茂生・竹之内禎, 情報倫理の挑戦:「生きる意味」へのアプローチ, 学文社, 2015, pp.12. 7 エドマンド・バーク, 崇高と美の観念の起原,みすす書房, 1996. 8 John J.Joughin and Simon Malpas, The new aestheticism, 2003, MANCHESTER, pp.151. 9 中村 桂子, 自己創出する生命―普遍と個の物語, 哲学書房, 1993. 10 ボブ・プラント, ウィトゲンシュタインとレヴィナス 倫理的・宗教的思想, 2017, pp.396. 11 西垣通, “続基礎情報学―「生命組織」のために”, NTT 出版, 2008. 12 川村丈志, 情報システム学会 第十三回全国大会研究発表大会 http://www.issj.net/conf/issj2017/data/issj2017_program2.pdf |
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