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西川アサキ
Asaki NISHIKAWA
asaki.nishikawai[at]gmail.com


 慶應義塾大学環境情報学部卒業。同大学院政策・メディア研究科修士修了。神戸大学大学院自然科学研究科後期博士課程修了(博士(理学))。専門は哲学と人工知能の交差領域。「情報=機能」と「情報でないもの=クオリア」の関係、「心身問題」を研究テーマにしている。また数十年単位の技術進歩次第で、実験的なテーマになりうるタイプの心身問題を「工学的心身問題」と呼んで、心身問題の持つ社会的含意も探っている。講義では、このテーマとあわせ、思考の技術を実践的に教える演習を行っている。

 社会システムにとっては、機能としての人間=「使えるヒト」以外は必要ない。一方、個体としてのヒトには、体験=機能ではないもの、は恐らく重要だ。心身問題を古典的に「身体と心」の関係と伝えると、興味をもつ学生は少ない。だが、「プログラムとしての自分」と「そうでない自分」の関係になるなら、途端に態度が変わる。思うに、若い世代にとってプログラム=機能=情報は、一種の身体であり、「社会=機能」としての自分が極端に肥大化しているのだろう。だから、それ以外、という指摘を意外に感じる。

 心身問題やクオリアについて考えることを、一種の神秘主義として嫌う人々も多い。個人的には、心身問題への憎しみは、自分の守備範囲(=機能、情報)外が存在することを認めたくない社会システムの苛立ちと思っている。その憎しみに駆られている時、ひとは社会=機能そのものなのだ。




■2014

・西川アサキ「剣山を横へ、お前はもう死んでいる」『早稲田文学』、7、早稲田文学会、2014年1月、p91-100

・西川アサキ「ドストエフスキー・ビッチ」『文藝別冊 [総特集]夢野久作』、株式会社河出書房新社、2014年2月、p164-170

・西川アサキ『魂のレイヤー 社会システム論から心身問題へ』、青土社、2014年5月(単著)

・刊行記念イベント 『魂のレイヤー』刊行記念 西川アサキ選書フェア 「社会システムから心身問題へ」 2014.5 ジュンク堂書店池袋本店 2014.5.03 - 6.17

・トークショー 『魂のレイヤー』刊行記念トークイベント「わたしたちはわたしたちをどこへ置くのか」
西川アサキ・古谷利浩 2014.6 ジュンク堂書店池袋本店 2014.6.17

・西川 麻樹「技術的特異点、「工学的心身問題」とその社会的影響」
2C5-OS-22b オーガナイズドセッション「OS-22 汎用人工知能とその社会への影響 (2)」
The 28th Annual Conference of the Japanese Society for Articial Intelligence, 2014、2014年5月、松山、 2C5-OS-22b-3in
(セッション主催者による招待)

・西川アサキ、森脇紀彦「工学的心身問題 人類と順序」『現代思想』「特集 ポスト・ビッグデータと統計学の時代」、7、青土社、2014年6月、p202-218

・Asaki NISHIKAWA,  "Engineering Mind-Body Problem",
2014.6.27 5.00pm-7.00pm (in Engilish), Kyung Hee University, Seoul, Korea(招待講演)

・西川アサキ「階層と浸透の間で 「メディア」と「発想」を扱う相補的基礎情報学への試論」
西垣通、河島茂生、西川アサキ、大井奈美編著『基礎情報学のヴァイアビリティ  -ネオ・サイバネティクスによる開放系と閉鎖系の架橋-』、東京大学出版会(2014年9月)p39-p71

・西川アサキ「妄想する力、人造の神、一義性」『新潮』第百十一巻第九号、新潮社、2014年9月、p234-235

・西川アサキ「「超越者としての真賀田四季」と「僕=人類」の位置
 (意識の起源-中枢の起源)=クオリア問題?」『ユリイカ』「特集 森博嗣」、11、青土社、2014年10月、p202-210

・西川アサキ「第六章 「パターン」としての「心身問題」 -情報とクオリアの際、その地図」河島茂生編著『デジタルの際 情報と物質が交わる現在地点』、聖学院大学出版会(2014年12月)p195-p228


■2013

・ 西川アサキ「私の死でいっぱいの袋 クリムト的主体について」『ユリイカ』、2013年3月号、「総特集 クリムト」、青土社(2013年3月)、p183-192

・西川アサキ「死近傍の物語構造とその分解について」206-240『吉本隆明論集   初期•中期•後期を論じて』、アーツアンドクラフツ(2013)(共著)

・西川アサキ「「この緑」をどうするのか? F・ガタリにおける心身問題、抽象機械、組織」、『現代思想』、2013年6月号、「特集 フェリックス・ガタリ」、青土社、(2013年6月)、p211-229

・鼎談=古谷利裕・西川アサキ・金子遊「吉本隆明の”宗教と死”」『週刊 読書人 5/10 第2988号』、株式会社 読書人、一面ー二面

・西川アサキ「フォン・ノイマンにおける「二つの心身問題」への試論」、
『現代思想』、2013年8月臨時増刊号、「総特集 フォン・ノイマン ゲーム理論・量子力学・コンピュータ科学」、青土社、(2013年8月)、p182-p207

・西川アサキ、「書評 保坂和志著『未明の闘争』」(『文藝』第52巻4号、2013年winter、河出書房新社)、p376

・西川アサキ「ある幸福が詰まった穴」『やまかわうみ』2013年vol8[総特集]反・富士山、p82-83

西川麻樹「内部観測と、組織内コミュニケーション、組織による意思決定:生体的組織デザインフレームワークの構築に向けて」
The 27th Annual Conference of the Japanese Society for Articial Intelligence, 2013
(優秀発表賞受賞)


■2012

・2012、2月、西川アサキ「陳腐な問い、神の笑い、着慣れぬ衣装」、『読書人の雑誌 本』、第37巻第二号(通巻427号)、p50-51、講談社

・2012、5月、西川アサキ「左を向いた時の右側に気を」、p346-347、『群像』、六十七巻五号、講談社

・2012、7月、折口子尚「永劫回帰の部屋」、p249-265、『群像』、六十七巻7号、講談社

・2012、7月、西川アサキ「宛先のない」、巻末頁エッセイ、『ユリイカ』、2012年7月号、青土社

・2012、8月、西川アサキ「形から逃げ出す生命、ガタリの夢、自身の死を悼むシステム」、『現代思想』、2012年8月号、p144-170、青土社 

・2012、11月 西川アサキ「マシン、パターン、テスト。幸せの定義」『現代思想』増刊号、 p102-116、「総特集 チューリング」

・2012、11月 東京大学大学院情報学環紀要 情報学研究 学環83 西川麻樹「不確実な環境で決断する組織のデザインフレームワーク
- そのベンチマーク例としての「緩い対称性型組織モデル」 -」p51-67、
 Design Framework for Organizations Confronting Uncertain Environments:
 “Liner Loose Symmetry Society Model” as an Example for Benchmarking Organizational Decision-makings 

・2012、11月 西川アサキ「神はいないが、花を着る」『ユリイカ』2012年11月号、p142-153、青土社 「永野護特集」


■2011

・2011、12月、西川アサキ『魂と体、脳  計算機とドゥルーズで考える心身問題』, 講談社選書メチエ(単著)


■2008以前
・西川アサキ、「なぜ、モップと語り合えないのか?」 , インターコミュニケーション, 65, 82-89


■査読付き英語論文
 
Nishikawa A.: “Mandate Game : Model Of Anticipation Exchange And Decision Making”,
International Journal of Computing Anticipatory Systems, 21, 249-260 (2007)
 
Nishikawa A.:”The Emergence and Collapse of the Self Monitoring Center in Multi-agent Systems” Lecture Notes in Artificial Intelligence, 4953, 803-812 (2008)
 
Gunji Y-P., Haruna T., Uragami D. and Nishikawa, A.: “Subjective spacetime derived from a causal histories approach” Physica D: Nonlinear Phenomena, 238, 2016-2023 (2009)
 
Nishikawa, A., Hara, M.:
 “New Solution for Resource Allocation Problem of Agent Teams Governed by a Leader”,  International Conference on Parallel and Distributed Processing Techniques and Applications(PDPTA 2009), Las Vegas, Nevada, USA, July. (2009).661-668
 
Nishikawa A and Hara M.: ”On the Origin of Money without a Shared Measure of Value”
 (投稿予定)

Takahashi, T., Shinohara, S., Oyo, K., and Nishikawa, A., Cognitive Symmetries as Bases for Anticipation: a Model of Vygotskyan Development Applied to Word Learning, IJCAS, 24, 95-106. (2011) 

■学会発表など

・第24回 計測自動制御学会SI部門共創システム部会研究会 第7回 内部観測研究会
2013年3月2日(土)、理化学研究所和光キャンパス脳科学総合研究センター池の端研究棟3F会議室、計測自動制御学会(SICE)SI部門共創システム部会灘研究連絡会
西川アサキ「組織内観測者と組織設計、その幾つかの難しさ」

・西川麻樹、 原正彦: “中枢化と分散処理のバランスと揺らぎ 同一の問題の別表現としての脳と貨幣”, 2009年度人工知能学会全国大会(第23回)、高松、6月 (2009)人工知能学会全国大会論文集(CD-ROM)23rd、 ROMBUNNO.2E1-OS5-9 
 
・西川麻樹、 原正彦: “尺度性を前提としない場合の貨幣の起源について”、第13回進化経済学会岡山大会、岡山、3月、大会論文URL:http://www.e.okayama-u.ac.jp/jafee/paper/c33.pdf  (2009)
  
 ・西川麻樹、 原正彦: “中枢化とは何か? フラットなシステムから考える”、
第一回「創発と知能」研究会(第1回)― 現実知としての科学と工学の融合について、理化学研究所、1月 (2009)
 
・西川麻樹:”心身問題と中枢”、第三回内部観測研究会、沖縄、3月 (2009)