1972年、三重県 鈴鹿市生まれ。北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院 准教授。2006年、東京大学 大学院人文社会系研究科博士課程 単位取得退学。東京大学大学院情報学環 助手、助教、西垣通研究室・特任研究員、客員研究員を経て2013年4月より現職。
◆専 門: 組織のリスクコミュニケーション論
◆社会活動: 情報文化学会・理事、日本危機管理学会・理事
◆連 絡 先: atsujimoto4【アットマーク】hotmail.com
(【アットマーク】を@に換えてご連絡ください)組織のリスクコミュニケーションを検討しています。組織論における「リスク」は純粋リスク(pure risk)と動態的リスク(loss or gain risk )に大別されると考えます。前者は損失しか与えないリスクですが、後者はリスクそのものの運用次第で、大きな損失を生むこともあれば莫大な利益を生むこともあり、 リスクという情報をマネジメントする醍醐味があります。
前者では、特に製品事故における組織コミュニケーションのあり方(対内的/対外的)な組織広報のあり方)や、危険物取扱組織における対内的リスクコミュニケーションのあり方を模索しましたが、ここ暫くは後者を重点的に扱ってきました。人文社会科学における新しい情報学の知見(基礎情報学/構成主義的認識論)を手法に据えて、新しい戦略的ナレッジマネジメントの方法論を模索しています。組織の中で創出/攪乱・拡散/構造化するコミュニケーションを観察し、そのひとつひとつに、組織にとっての、何らかの、「意味/価値のまとまり」を見つけることが、斬新な組織戦略を導くと考えています。
試論として、下記があります。
*「HACSモデル」による職業体験型テーマパーク・アクティビティの考察
―観察者の重層的学習プロセスの展開―
(共著『基礎情報学のヴァイアビリティ: ネオ・サイバネティクスによる開放系
と閉鎖系の架橋』東京大学出版会、2014年に所収)
(下記の3編は、共著『桁違い効果の経営戦略』芙蓉書房出版、2011年に所収)
*「ツイッタ-による組織情報の提供」(原題:「ザッポス(Zappos)のツ
イッター効果 -ネオ・サイバネティックス的・観察空間の創出-」)
*「CECIL McBEEの製品開発モデル」(原題:「CECIL McBEEの「観察行為」
-組織とお 客様の“心の世界”をつなぐ-」)
*「情報が組織化されるプロセス」(原題:「Francfrancの商品開発のモットー・
販売スタイル-日常の息吹を身体感覚/感情で知覚することから-」)
この戦略的ナレッジマネジメントに関する研究は走り出したばかりですが、非常に興奮し
ながら取り組んでおります。
<著書>
2011年10月
共著『桁違い効果の経営戦略』芙蓉書房出版(*=分担執筆担当箇所)
*「製品開発における学習プロセス」(原題:「P&Gの製品開発における学習プロセス
-HACSモデルによる解説-」),pp.142-145.
*「ツイッタ-による組織情報の提供」(原題:「ザッポス(Zappos)のツイッター効果
-ネオ・サイバネティックス的・観察空間の創出-」),pp.188-191.
*「CECIL McBEEの製品開発モデル」(原題:「CECIL McBEEの「観察行為」 -組織とお客様の“心の世界”をつなぐ-」),pp.184-187.
*「情報が組織化されるプロセス」(原題:「Francfrancの商品開発のモットー・販売スタイル-日常の息吹を身体感覚/感情で知覚することから-」),pp.138-141.
2013年8月
共著(*=分担執筆担当箇所)
* Learning Process on P&G’s Product Development -Interpretation by HACS Model
* Twitter Effect of Zappos - Emergence of Observation space by Neo-Cybernetics
* Motto of Francfranc’s Product Development and Sales Style -Based on as a
Philosophy<Perceiving Every day by Physical Sense and Emotion>
* Observing Action in CECIL McBEE -Connecting Mind Images of Company Staff and Customer, CORPORATE STRATEGY FOR DRAMATIC PRODUCTIVITY SURGE(共著), World Scientific Publishing Co.Pte.Ltd.
2014年3月
単著『組織学習の理論と実践』生産性出版(223p.)
2014年9月
辻本篤「「HACSモデル」による職業体験型テーマパーク・アクティビティの考察」『基礎情報学のヴァイアビリティ』東京大学出版会,pp.97-119.
<学術論文誌ほか>
2012年3月(30日)
「経営組織における「三行提報」の基礎情報学的分析 -環境適応(contingency)に関する一考察-」『危機管理研究-20周年記念号-』第20号,日本危機管理学会,pp.79 -86.
"
2012年3月
「情報セキュリティ・マネジメントに対する「自律」/「他律」概念の適用に関する一考察-HACSモデル(基礎情報学)からのアプローチ-」『情報文化学研究』第5号,情報文化学会, pp.16-22.
"
2013年3月
「ソフトウェア開発プロジェクトのリスクコミュニケーションに関する一考察 -投機的リスクへのHACSモデルからのアプローチ-」『危機管理研究』第21号,日本危機管理学会,pp.37-45.
<学会発表ほか>
2011年年5月14日(土)
「経営組織における「三行提報システム」の基礎情報学的分析-組織の情報停滞リスクの回避、環境適応に関する一考察-」日本危機管理学会・第20回年次大会,国士舘大学
2011年年8月4日(木)
Neo-Cybernetics Approach to Emotional Problems in Organization,InterSymp'2011,The International Institute for Advanced Studies in Systems Research and Cybernetics.(Baden-Baden,Germany)
2011年11月5日(土)
「情報セキュリティ・マネジメントにおける「自律」/「他律」概念-HACSモデル(基礎情報学)からのアプローチ-」情報文化学会 第8回連合研究会,港区立障害保健福祉センター
2011年年12月(16日(金))
「情報セキュリティ・マネジメント -ISMSモデル、HACSモデル(基礎情報学)からのアプローチ-」(財)電気通信普及財団寄附講座・講義,聖学院大学図書館情報学課程
2012年5月(25日(金))
P&G’s Product Development and Organization Learning Process ― A informatics Study by HACS Model(Fundamental Informatics)―,2012 Hawaii International Conference on Business(Hawaii, U.S.A)
2012(平成24)年7月(3日(火))
「生命的組織論(基礎情報学)と、組織における公益性、リスク・コミュニケーションに関する考察」,日本危機管理学会,第1回 「公共の危機管理とリスク・コミュニケーション」研究部会
2012年7月(7日(土))
「ホロニック・マネジメントのコミュニケーション機能の補完-HACS モデル(ネオ・サイバネティックス)からのアプローチ-」情報メディア学会 第11回研究大会 ポスター発表(筑波大学(東京キャンパス))
2012年10月(6日(土))
「HACS 組織(基礎情報学)とアメーバ組織-生命的組織論の方法-」情報文化学会・第20回全国大会ポスター発表,(東京大学(本郷キャンパス))
2012年11月(3日(土))
「ナレッジマネジメントにおける「三行提報システム」の意義―HACSモデル(基礎情報学)からのアプローチ」情報文化学会 第9回連合研究会, 港区立障害保健福祉センター
2012年11月(14日(水))
「三行提報」システムのリスクコミュニケーション―「ネオ・サイバネティックス」組織の意義と検討内容」日本危機管理学会,第2回「公共の危機管理とリスク・コミュニケーション」 研究部会
<その他>
2008年11月
「組織学習 -組織の知識を共有する-⑦/「学習ループと“情動”」」(「組織学習」連載7),『OHM』 第95巻,第11号所収,オーム社,p.87.
2009年2月
「組織学習 -組織の知識を共有する-⑩/「プロジェクトチームの感情と価値観の醸成」」(「組織学習」連載10),『OHM』 第96巻,第2号,オーム社,p.68.
2009年7月
「組織学習 -組織の知識を共有する-⑭/「組織活動における社会構成主義的思考-Ⅰ(理論編)」」(「組織学習」連載14),『OHM』 第96巻,第7号所収,オーム社, p.92.
2009年8月
「組織学習 -組織の知識を共有する-⑮/「組織活動における社会構成主義的思考-Ⅱ(実践編)」」(「組織学習」連載15),『OHM』 第96巻,第8号所収,オーム社, p.95.
2009年9月
「組織学習 -組織の知識を共有する-⑯/「組織マネジメントで労働感情を扱う重要性-理論的裏付けⅠ」」(「組織学習」連載16),『OHM』 第96巻,第9号所収,オーム社,p.80.
2009年10月
「組織学習 -組織の知識を共有する-⑰/「組織マネジメントで労働感情を扱う重要性-理論的裏付けⅡ(EQⅠ)」」(「組織学習」連載17),『OHM』第96巻,第10号所収,オーム社,p.73.
2009(平成21)年11月
「組織学習 -組織の知識を共有する-⑱/「組織マネジメントで労働感情を扱う重要性-理論的裏付けⅢ(EQⅡ)」」(「組織学習」連載18),『OHM』第96巻,第11号所収,オーム社,p.134.
2010年3月
「組織学習 -組織の知識を共有する-21/「プロジェクトマネジメントにおける知覚的アプローチ-労働感情が変化する際の身体的特徴Ⅰ」」(「組織学習」連載21),『OHM』第97巻, 第3号所収,オーム社, p.83.
2010年7月
「組織学習 -組織の知識を共有する-25/「「認識論的主観主義」の組織学習論への導入」」(「組織学習」最終回),『OHM』第97巻,第7号所収,オーム社,p.64.
2015年3月
「個人の美点(強み)を組織の強みへ」」(「これからの組織運営」連載第10回),『物価資料』2015年 3月号,一般財団法人 建設 物価調査会